3万円台で買えるオーディオインターフェイス「MOTU M2」と「SSL2MKII」どちらを買うか

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現行使ってるTASCAM US-1x2HRだと色々出来ないことが増えてきたので、そろそろ次のオーディオインターフェイス(AIF)を買おうと思い、あらゆるネットの情報やYoutubeの音比べなどを聴き漁って早1年。

候補機種は2つまで絞った。「MOTU M2」と「SSL2MKII」だ。

同じ価格帯で他機種も色々あるが、最終的に性能も値段もほぼ同じのこの2つで迷ってる人は結構多いと思う。

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選ばれたのは..「MOTU M2」でした

早速結論を言ってしまうと自分は「MOTU M2」を買った

決め手になった部分が巷で言われてる部分と違いちょっと特殊なので、とりあえず自分がM2を選んだ理由を書いておこうと思う。

 

理由①操作パネルが「横向き」であること

音質とかちゃうんかいと思ったかもしれないが、個人的にAIFにおいてデザインは非常に重要な要素だと思う。

この2機種に関しては特に「操作パネルの向き」が違ってて、MOTUは「横向き」SSL2は「上向き(斜め)」なんである。つまり操作する時に「前から見る」か「上から見る」かになる。

横置きのメリットは前から視認できること、上に物が置けること、不慮の事故に強いこと(モノが落下するとか)ラック等の他の音響機材と同居しやすいとかである。

ワークスペースを机基準で考えた際、AIFは机の上に置くというよりむしろ棚とかラックとか隙間とかに置く人の方が多いと思う。机の上にはなるべく物を置きたくない自分もそれを考えた時に、横置きの方が「置き場所の選択肢が増える」と思ったわけだ。

SSL2の上向きは結構AIFとしては珍しい形状なんだが、これはSSLコンソール(ミキサー)を意識したものらしい。つまり「手元で操作する」ことを前提にしているんだろが、正直AIFなんて一旦位置を決めたらそんな弄るものでもない(むしろノブ位置などは固定したい)し、机に音響機材しか置かないという自宅スタジオならともかく、他にも仕事とかで兼用してる人がほとんどだと思う。なので、ハッキリ言って机の上にあったら「邪魔」なんである。

一見カッコいいが、よく考えると結構邪魔

別の場所に置くにしても、何かがぶつかったり落ちたりすると直でダメージを受ける形状である故に、ある程度の専用スペースを設ける必要がある。なので実際使うことを考えると結構置き場所に困るデザインなのだ。

また、上向きの困りごとに「ホコリが溜まりやすい」ってのもある。ギタリストなら足元に置くマルチエフェクター(これも上向き)などで経験があると思うが、小まめに掃除しないとマジで数か月で真っ白になる。特にノブ部分にホコリが溜まるとガリが発生してジャンク品直行ということもありうる。

なのでSSL2はぱっと見、映えるデザインだが、実際使うことを考えると置き場所が限定されるうえに破損の可能性も高いので、その辺心配で導入できないって人は意外と多いんじゃないか。

ただ、SSL2はマイク端子が後ろにあるので、マイクのみを使う人はケーブルを後ろに集約できて見た目がすっきりするので逆にいいのかもしれない。というか個人的にAIFの入出力端子は全部後ろに集約してほしい。前面部がケーブルでごっちゃごちゃするので。

SSL2はマイク入力端子(右)が背面にある。

あと個人的にデザインで言うと青ノブの初代SSL2の方がSSLコンソールっぽくてカッコ良かったと思う。何で青ノブじゃなくしたんだろ?

理由②音質と入出力問題

音質については色々YouTubeの比較動画などを聴き漁ったが、この価格帯まで行けば正直どれもそんな変わらない。少なくとも自分にはほとんど違いが判らなかった。もうどれも十分ひと昔前のプロ機材レベルだと思う。

個人ユースのAIFにおいてあまり音質が良すぎるのも考え物で、例えばもっと上記機種のAIFともなるとそれ以外の機材や環境もある程度必要になったりして、そこまでシビアに突き詰めていくと結構沼にハマってしまうことになる。なのでこの辺りが一番気兼ねないラインかなと思う。

で、音質面では強いて言えば、MOTUの方はクッキリしてて硬質で冷たい音、SSL2は空気感があり、温かみがあるみたいなことを言ってる人が多い。でも正直違いなんてほとんどわからん。

多分だけど、MOTUは録音する音をそのままフラットに入出力することを重視して、SSL2は往年のSSLコンソールライクな若干アナログチックな音を目指してるのかと思う。4Kスイッチなんて正にそれだし。

だから現代的な音を録りたいならM2、往年のレコーディング環境を実現したいならSSL2みたいな感じ。

自分は基本ギターを録音するし、目指してるのは昔の音だったりするので、実際SSL2の方が向いてるのかもしれない。

ただこの2機種、出力系統に違いがあって、MOTUには「LINE OUTが2つ(TRSとRCA)」「MIDI入出力」があって、SSL2は「LINE OUTが1つのみ」である代わりに「ヘッドフォン出力が2つ」あるんである。

ここが非常に悩んだ。特にSSL2のヘッドフォンが2つ繋げるのはめちゃいい。

ヘッドフォン端子が全面部に2つある

同じ環境で2人同時にヘッドフォンで聴ける環境作るのは何気に結構難しいし、住宅環境的にスピーカーなどが使えない時に2人同時にヘッドフォンモニターできるというのはめちゃめちゃ便利。自分もこれで子どもにヘッドフォンからのギターの音を聴かせられたらいいなとか思った。

ただ色々SSL2のレビューなどを見ていた中で気になったのが「ボリュームを絞っても若干音が聴こえる」「ヘッドフォンの音質が悪い」などなど。どうも2系統に分けてるからなのか、このヘッドフォン端子には若干の不安要素があるみたい。

そもそも普段は1つしか使わないのに、もう1つも共通ボリュームなのが何となくモヤる。上位機種のSSL2+ MKIIだと独立ボリュームが2つ付いてるのでこの辺りは解消されてるかもしれないが、価格が一気に5万近くになる。

自分は基本ヘッドフォンがメインになるのでここは結構決め手になった。逆に言うとスピーカーメインで考えるとこの辺りはそこまで気にすることでは無いかもしれない。

MOTUにはLINE OUTが2つあるので、ミキサーに繋げばまぁ疑似ヘッドフォン×2もできるかなと。MIDIは多分使わないけど、もしかして将来大昔のSC-88音源が使いたくなる日が来るかもと思い、拡張性の高さ的にMOTUに軍配が上がった。

理由➂値段

2025年6月時点でMOTU M2が¥35,970(税込)SSL2MKIIが¥35,680(税込)とほぼ同価格。これはAmazonでもサウンドハウスでもどのショップでも同じだった(談合

ただ、さすがにMOTU M2は5年近く前の製品なのに対し、SSL2はまだ2024年発売の新製品ってこともあり、MOTUの方がセールやクーポン等で安くなることが多い。実際自分が購入したのはYahooショッピング経由でのイケベ楽器からだったが12.5%還元で3万くらいで買えた。

つまり現時点でMOTUの方が実質安く買えるってのも決め手の一つ。けどもうこの辺りは誤差なのであまり重要視はしてなかった。

MOTUは一時期めちゃくちゃ人気すぎて全然入手できない時期もあったが、今は結構在庫潤沢なようで、在庫はしばらくは問題なさそう。なのでこの先円高になったとしても、もうこの価格は次の機種が出るまで下がらないと思う。(むしろ上がるまである)

しかし今は円安の煽りをもろ受けて海外製品がほんと高い。何とかしてくれマジで。

まとめ

とまぁこんな感じでMOTU M2を購入しました。

今使ってるTASCAM US-1x2HRは確か1万くらいで買った安物AIFだけど、これでも音質面とか通常使う分には全然問題なかった。現に↓の弾いてみた動画とかこれで十分録れてるし。どっちかというと元音源の音質とギター自体の音(と腕)の問題の方が大きい気がする。

"泣ける”90年代V系ロック9選 Guiter Cover

もっと言えばその前に使ってたTASCAMのUS-144MKIIでも全然問題なかった。というかUS-144MKIIの方がLINE OUTとヘッドフォン出力の音量を個別調整できたりして、今思うと名機だったんだなと思う。

ただ、部屋を改装してモニタースピーカーを導入したことで、US-1x2HRだとLINE OUTがRCAアナログしかないということで、流石に変えるかとなったわけです。まぁあと音質はさすがに良くなるだろうし。

部屋もPC自体もまるっと改装したし、次の弾いてみた動画は00年代J-ROCKとか、90年代シティポップとかをやろうと思ってるので、MOTU M2の真価を発揮することはできるのか、注目です。その前にギターの練習しなきゃいかんけど。

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