KORG AX3000Gをレビュー

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購入して半年。ひとまずこれまでいじってきたのまとめ。
購入予定の方なんかは参考にしてもらえれば幸いです。

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■AX3000Gって実際のところどーなのよ

性能的にどう?

製品的な区分けは「アンプシミュレーター内臓マルチエフェクター」です。ただしBOSSなどの「アンプに繋げる事を前提とした」製品より、「LINE接続を前提とした」自宅練習用の製品だと思ってもらった方がいいです。

と言うのも、ペダル等を見るとライブでアンプを利用して…といった使い方が出来そうですが、正直アンシミュ部の歪みはライブ使用に耐えられるものではありませんし。アンシミュ部をキャンセルしてアンプのセンドリターンに繋ぎ空間系のみを使う、とかの使い方をするにしてはでかすぎて持ち運びが不便すぎるので、ハッキリ自宅警備員用と割り切った方がよいシロモノです。(自分は音色が多い場合はしょうがなく持って行きますが)

つまりは、自宅練習や録音等ではこれ1台で完結可能。ライブ等で使うには不便、といった感じでしょうか。ライブ等でもマルチ1台で完結させたい人や、アンシミュの質に拘るひとには向かないシロモノです。

音はどんな感じ?

※LINE接続でのヘッドホン使用時のレビューです。

○良い点

クリーン~クランチ系統のシミュレートはわりと良く出来ており、クリーンにおいてはいかにもデジタルっぽい固い感じのクリーンではなく、実機の真空管アンプのクリーンchのように中低音が主張する感じです。特にVOX系のアンプのシミュレートはさすがの出来栄えです。

ちょい歪みくらいのクランチトーンだと設定次第でわりと前に出てくるカコーンとした音もでますし、ピッキングへの反応も良くてジャキジャキ鳴らせますのでストラト系のギターによく合います。

空間系は個性的な音までは出せないものの、コーラスもフェイザーもきっちり揺れますし、アルペジエイター的な事も出来たりそこそこアバンギャルドな感じにも出来ます。ディレイ、リバーブの種類も充実し、特にディレイに関してはタップ、リズム、リバース、ホールド他かなりの充実具合で、しかもかなり素直にかかってくれます。
ワウはVOXのシミュレートなのでさすがの出来栄え、ワーミーはさすがにデジテック系統と比べるとそれなりですが、それなりな音にはなります。

また、ノイズリダクションがわりと優秀なのです。
いかにもノイズゲート的な「サーッ」と消える感じでなく、もうちょっと自然にかかります。
かと言ってかけすぎると特に歪ませた時はさすがに不自然な感じになっちゃうので
パッチ毎に何も弾いて無い時のノイズが消える程度に設定しときましょう。

×悪い点

AX1500Gもそうだったけどとりあえず音抜けが基本的に悪い。しかしこれはアンシミュの宿命ですし、実際のアンプをシミュレートするとなるとどうしても中低音の方が良く出ますので忠実っちゃあ忠実かもしれませんが。
ここで音抜けを良くするために高音をブーストすると歪みが濁ってしまう、あるいはすぐ割れる、というパターンが多いです。(特に歪みを深くすればするほど)

そのため歪みを抑えるしかないのですが、そうするとかなりピッキングに気を使わなければ音がまともに鳴らないため、「気持ちよく」弾ける音ではないです。サスティンもありませんしね。

そういうこともあってメタル系の激しい歪みは正直ダメです。スムーズに歪む感じではなく何だかムリして歪ませていかにも不自然な感じです。


これは「デジタル」と割り切って作ったのでなく、あくまでアナログ的な実機のアンプをシミュレートしようとしているため歪みが深くなるにつれ逆に遠のいてしまうジレンマがあるような気がします。

このアンシミュ特有の悩みを解消するためにすることの一つとして、「アンシミュに歪みペダルシミュを足す」が出来る製品が多いのですが、それがありません。アンシミュか歪みペダルシミュどっちかしか選べないです。
やるとすればSENDから外部コンパクトをぶっ刺すしかないですが、ノイズが飛躍的に増えてしまうため、実質あまり使えません。

音に関してのまとめ

クリーンに関しては問題なし、クランチにしてのカッティングやコード、ブルース系のソロなどには十分使えるマルチです。
反対に歪ませてナンボのHR/HM系等で使うにはかなりの根性が必要となります。が、ここらへんは設定次第である程度妥協すれば何とかなります。練習には十分でしょう。

むしろ出音は実際のアンプのタイミングに近く、正確なピッキングに対する反応がいいので、練習にこそ持ってこいなサウンドかもしれません。

操作性はどう?

まずバンクが24もあり、1バンクごとにパッチが4つ登録できるのが大きいです。1曲中にバングUP/DOWNするなんてことはほとんどなくなりますし、作成した音を探すのが非常に楽です。

本体にはアナログちっくなノブが付いてて、これを回すと液晶画面にパラメーターが出るのでそれを見てエディットします。上側のノブでアンプ/エフェクト類を選ぶ→真ん中のノブでパラメーターをいじる。ってのが基本的な音作りの流れです。
ボタンを押すとアンプ(エフェクト)のON/OFFが切り替えられます。

エディット中のノブは光が点滅してくれたり液晶画面もわりと大きいので、慣れてる人ならわりとすぐ使いこなせると思います。
パラメーターはノブだけでなく、十時キーのようなものを押して設定することもできますので
デジタルライクの人も安心。細かい設定する時も楽です。

ノブはどこまでも回る系のノブではなく、アンプとかと同じ0-10で設定するタイプです。今どういう設定になっているかパッとわかりますが…パッチを変えるとウイーンとそのパッチの設定通りの位置にノブが動いてくれる、みたいな未来機能は当然ありませんので設定が変わってもノブの位置はそのままです。
ただしちゃんと元のパラメーターで「ORIG」と表示がでるので、迷子になることはないと思います。ちょっとやりにくいですけどね。

ただしこのノブ類は後述するPCエディター使えばほとんど触る機会はありません。

作りはどう?すぐ壊れたりしない?

作りはしっかりしてます。床に置いてもがっちりして動きません。

何となくですがうち(2階)の窓から投げ捨てても壊れない予感はします。

その代わりずっしり重いので正直持ち運びはかなり辛い。キャリーとか使った方がいいかも。
自分はソフトケースが無いのでスーツ入れてる袋に入れてました。

ちなみにエフェクターにはよくあることですが本体側に電源スイッチが付いていません。なので電源タップで管理してるんですが、たまに電源切り忘れたりして数日電源付きっぱとか普通にやっちゃってます。今のところ不具合はありませんが、ランプ類が多いだけにずっと付いてんのはあまり良くないかも。

前述の通りエディターを使えばほとんど本体に触る機会はないのですが、あまりに触らないとほこりが溜まってガリが発生しやすいので定期的にグルグル回したりしてあげたほうがいいです。
※前使ってたAX1500Gはそれが原因なのかわかりませんが何も触ってないのにパラメーターがバコバコ変わっていくという症状が深刻化したために手放しました。

見た目は?使ってるとモテる?

前の1500Gはシルバーだったんですが真っ黒になりました。でかいし黒いし固いしで使ってると目立つと思います。でかくて黒くて固いものを持ってる方はまず間違いなくモテます。黒に赤いライトが映えます。ただしほこり類も映えます。油断すると真っ白になります。こうなるとモテない。掃除はしっかりしましょう。

マルチに限らずエフェクターで黒って意外と珍しいんですけど、これは暗闇が多いステージで使用する際なんかの視認性の問題だと思います。
まぁステージ上でエディットすることなんてほとんど無いですし、パラメーター類はちゃんとライト点きますから問題ないですけど。

お気に入りポイントはノブの根元が光ってるとこです。ゾイドっぽくてカッコいい。

しかし何だかこうツマミ類が一杯あってあちこち光ってたりすると「音源要塞!」って感じでワクワクしません?俺だけ?

※上記内において一部不適切な表現がありました。
この場を借りてお詫びいたします。

どうせお高いんでしょう?

アンシミュ内蔵マルチというのはアンプ、エフェクトまですべて完結できてしまう非常に便利なものなので、普通このくらいの性能のフロア型マルチになるとPODやBOSSなどの製品は5~6万くらいします。

しかしこれは異常に安い。ビックリするくらい安い。元々の定価が他のと同じくらいの55,000円なのですが、何と今なら10,000円ポッキリで新品が買えてしまいます。ナンテコッタ

諭吉もさすがにこれにはニッコリ。

もうぶっちゃけ性能とか云々考えずに値段で買ってもいいくらい。

ただこれ最初から安かったわけではないです。
既に生産終了となっている言わば『型落ち』といった代物であるに加え、在庫がかなり余ってしまっての、所謂「投げ売り」状態が結構続いています。
生産終了製品なので、もう楽器屋の店頭などには並んでいませんが、大量に仕入れたであろう業者の倉庫にはまだ残っているのでしょうか、

『楽器屋ではもう売れない…でも余ってる…巷には続々と新しいのが出てみんなそっち行っちゃう…』
『じゃあネットで処分するお!』

みたいなノリかはわかりませんがほとんど処分価格といった感じでネットで販売されています。

別に深刻な欠陥があったとかKORGの類希なる経営努力のおかげで安いとかではなく、単にそんな理由でしょう。倉庫から在庫が無くなるまでは続くんじゃないでしょうか。
しかしいつまで続くんだろ。

次は実際の使用例について

■環境作り

まず、自分の環境ではLineOutからミキサーに繋いでヘッドホンで鳴らしていますので、ここからの音作りもヘッドホン使用前提での話です。

ちなみに使ってるヘッドホンは業界標準のSONY MDR-CD900STです。


ぶっちゃけヘッドホンで音はめちゃめちゃ変わりますので将来の事も考えていいの買っときましょう。予断ですがこのヘッドホンの定位の正確性はハンパないので、ゲームで使うと位置把握がめちゃくちゃわかりやすくなります。

AX3000GはAUX端子もありますんで携帯音楽プレイヤーなどを繋げば簡易的にエフェクター上で音楽とMIXしてギターが鳴らせます。これは500円くらいで売ってる両側がステレオミニ端子のケーブルがあればできまが、実際音楽に合わせて練習する際などはミキサーを経由するのがおすすめです。音源をMIXするこういうのですね。

私が実際使用しているのはYAMAHA MG10/2ですが、ギター使用だけなら6chのもので十分だと思います。個人的にはYAMAHAのミキサーがリスニングに向いていると思います。

LINE音特有の痛い音が聴きやすい優しい音になります。
それに音量調整が手元に集約されると楽ですし、マイクも繋げば曲に合わせて弾き語りを録音してそのままYoutubeにアップなんて事もできますしね。
詳しくは後述の録音&モニター環境を参考にしてみてください。

あと何だか部屋にミキサーがあると音楽やってるぜ感が凄いので、モテることうけあいです。

 

PC持ってる人はAG3000X付属のSoundEditorを入れときましょう。
これはPCとMIDIケーブルでつなぐ事でPC上でエディットが出来てしまう
めちゃ便利ツールです。筺体でポチポチやるよりエディットが圧倒的に楽です。

SoundEditor

画面のつまみやボタン類を直接マウスでクリックして変えていきます。
パラメーターはキーボードで直接打ち込むこともできます。
マウスでやってると最初は思うようにノブが回んなくて「うわぁぁ!」ってなるかもしれませんがそのうち慣れます。

また、パッチリストのインポート/エクスポートができるので
http://www.haax.se/filesite/index.php?unit=ax3000g
のようなネット上に公開されているパッチをインポートすることができます。上記のサイトなどでダウンロードしたファイルを実行すると自動でエディターに組み込まれます。
(自分のパッチリストとは別のFileに組み込まれますので上書きされてしまうことはありません。)
気に入ったのがあれば自分のパッチへ保存する必要があります。

ちなみに上記サイトなんかのパッチはアーティスト本人が作ったものではないです。他のメーカーだと「本人エディットパッチ!」みたいなのもありますけどね。AX3000Gだと多分そういうのはありません。
ほとんどどっかの誰かさんが「これ似てんじゃね?」ってな感じで作ったものです。
全然なんじゃこりゃってのも多いので結局自分で作った方が早いかも。
まぁあくまで使い方の参考に。

エディターはMIDI信号でPCとリンクするため、MIDIインターフェイスが必要です。USB対応でケーブルだけのものもあったりしますが、個人的にはドライバ無しのものは認識されない事があるので避けた方が無難です。下記のオーディオインターフェイスを使いましょう。

PODなんかだとUSB端子が付いていて直接PCに接続できますが、付いている機種であっても
HDレコーディングがしたければ別途オーディオインターフェイスは買いましょう。
1万程度でかなり音は良くなりますし、無償でDAWソフトが付いてきたりするのでお得です。

LineOutはL(MONO)とRがありますが、ミキサーに繋ぐ場合はとりあえずLだけでおkです。
シールド2本繋いでステレオにしてもいいですが、
ギターの場合はあんまステレオ録音ってのはしませんから。

ちなみに自分の録音&モニター環境は今は↓こんな感じです。

これでミキサーに繋がっているヘッドホンから『ギター「マルチ)の音』『PCの音(録音した音やiTunesなど)』『MIDI音源』などがすべてMIXされた状態でモニターできます。使わないものはそれぞれボリュームを下げればおk。
図には書いてませんがTVやPCモニター音声なども繋がっています(ゲーム用)

録音の際は、マルチのヘッドホン端子からミキサーに出ている音でPCからの音とMIXしてモニターし、録音用の音声は別途LINE OUT端子からオーディオI/Fを経由してPC内のLogicで録音しています。

AX3000Gからの音声をわざわざモニター用と録音用に分けているのはレイテンシー(遅延)対策です。ソフトウェアモニタリングだとどうしてもピッキングへの反応に違和感が出てくるので、こうすることで有り物の音源にギターを重ねる際、まったくレイテンシー(遅延)が無い状態で録音できます。

■音作り

では(個人的な)音作りの手順です。

パッチをいじっていく前にとりあえず設定しておくのが接続先設定です。
これはこのAX3000Gを何に繋いで使うか、という設定ですが、ヘッドホンの場合は基本「to LINE」にしましょう。
この接続先設定はパッチ登録できない共通設定になりますので一度設定しとけばOKです。

とりあえず標準でパッチ登録されているものを一通り遊んだ後に作りたい音に似たような音を選んでエディットしていきましょう。
ちなみにUSERエリアなどという概念はありませんので、標準のパッチ登録されてるのをガンガン消しておkです。どうせ使いませんし。

赤ボタンになっている部分が今選択されている部分です。押す事でON/OFFが切り替えられます。

とりあえず一旦DRIVE/AMPの赤ボタン以外をすべて非選択にしてアンプモデルを選択しましょう。
DRIVE/AMPの窓をクリックするとずらっと出ますね。

「BOUTIQUE CL」から下がアンプモデルです。(上は歪みエフェクター)
アンプモデルは見慣れた名前もあれば抽象的なのもあります。
どれもとあるアンプやエフェクタをシミュレートしたものですが、版権的な都合があるのか「それっぽい」名前にされています。
(ちなみにマニュアルには各モデルのヒントがあり、君はいくつわかるかな~?ってな感じで書かれてます。)

とりあえず適当なアンプモデルを選ぶとそれに合ったキャビが自動的に選ばれます。基本キャビの方はあんまいじらなくておkです。
AMPが決まったら音出しつつGAINやEQを調整です。
ここらでリバーブもONにしときましょう。リバーブは種類ありますが、とりあえず「ROOM」「STUDIO」あたりが無難です。

エディットしたら名前も変えときましょう。
英語オンリーの7文字までなので自分でわかるような名前にしときましょう。

できたら保存です。エディターの場合は右リスト下の「Write current program…」をクリックすると、保存先をどのパッチにするか聞かれますので、適当なとこを選択してもう一度クリックすることで保存されます。
一度選択しただけでは保存されませんので注意してください。

また、音作りしている最中に保存せず違うパッチを選択してしまうと今作っていた設定がすべて消えてしまうので注意です。

と、まぁこんな感じでどんどん音作りをしていきましょう。
気に入ったパッチが一つ出来れば、あとはそれをコピペしてってディレイ足したりGAIN変えたり色んなVerを作ってどんどんライブラリを充実させていきましょう。

ちなみに自分はバンクごとに
1:基本歪み  2:ソロ  3:予備  4:クリーン
みたいな感じで登録しています。
クリーンを離して4にしているのは、歪みとは離した方がクリーンだと意識しやすいのと、予備の所は大抵歪み系の音がくるからです。

これをバンクごとに作って
曲やアーティストでバンクを変えていくって感じですね。

■セッティング&参考プレイ

ここからは人によって好みが違うのでどうとも言えませんが、とりあえず個人的にお勧めのセッティングと実際に弾いてみた動画です。
ちなみに使ってるギターはストラトとEMG搭載のIBANIZ S320です。

AMP:AC15
CAB:VOX AC15TBX

多分一番よくできてるモデリング。もうこれは名前のまんまVOX AC15です。

あまり歪ませないクリーンからちょいクランチまでが使いやすく、UK MODENより下品にならない上品な歪みです。

ストラトではセンター/フロント向けです。少し柔らかい感じのクリーントーンが出せますし太さもそこそこあるのでジャズなんかにも向いてると思います。(自分はジャズやんないけど)

ただし音量がやたらと小さい上に抜けが悪い(こもる)ので、シャキっとしたカッティングトーンを出したい場合はトレブルとVOLUME全開にしてコンプかけないと音量が稼げません。

アンプモデルごとに音量差が結構あるのでこれをまず基準にした方がいいかもです。

参考プレイ動画『透明人間』東京事変

東京事変の『透明人間』を弾いたものです。
ストラトはセンターPUを使って軽くコンプかけています。
粒が立った柔らかいクリーンという音を目指しました。個人的に一番お気に入りの音です。
本家はもうちょっと軽くオーバードライブしてるんですけどね。

こういったピッキングニュアンスで歪みの量の調節がしやすいセッティングですので、実機アンプ使った際の練習にもなります。

AMP:UK MODERN
CAB:UK T75 4×12

ROCK&POPSにオールマイティに使える設定です。
多分マーシャルJCM2000あたりのモデリング。
GAINとEQの設定次第でクランチからOD-DSまで幅広くいけます。
結構歪むのでGAINはクランチで2-3程度、歪ませても5-6くらいですかね。
あまり上げると潰れますがFAZZっぽくなってアリっちゃありかも。いや無いか。

抜けがあまり良くないのでトレブルは上げ気味に。
ジャンルに応じてミドルを上げ下げする感じですか。ベースは低めに。
音割れしやすくなりますがクランチであれば軽くコンプをかけるのもアリです。

参考プレイ動画①『ブラックアウト』東京事変


東京事変の『ブラックアウト』という曲を弾いたものです。

正直この曲、むっちゃくちゃ難しいので最後の方はわちゃわちゃになっちゃってますが。
結構歪んでるように聴こえますがGAIN2くらいでトレブルは結構上げ目、後はコンプによる所が大きいですね。ストラトのセンターPUで弾いてます。

こういうジャキジャキのバッキバキの音は案外得意なエフェクターです。得てして下品な音になりがちなんですが、そういう荒々しさをあえて狙う時はいいと思います。

参考プレイ動画②『Vivid Color』LArc-en-Ciel


ラルク初期の名曲、『Vivid Color』を弾いたものです。

この曲のギターソロは個人的にラルクで1,2を争う名演だと思います。
これはわりと買ってすぐのころに撮ったものですが
ラルクの音作りってのいうのはわりと慣れていたのでそんなに苦労しなかったような。
これはGAIN3-4くらいでソロだと5くらいにしてたと思います。
この頃はまだストラトのPUを変える前だったのでリアPUを使ってます。

参考プレイ動画③『DADA』RADWIMPS


RADWIMPSの『DADA』を弾いたものです。

こちらはリアPUをホットレイルに載せ換えてから撮ったものなので、GAIN2~3くらいとかなり押さえ目で弾きました。中間の2:47~だけはAC30TBにランダムフィルターとディレイかけてます。

尚、この動画がAX3000Gを使った最後の動画となりました。なのである意味集大成です。

この動画について詳細はこちらの記事にて

DRIVE:METAL DIST
CAB :UK T75 4×12 or US V30 4×12

メタル用のセッティングです。というか正直メタルならこれしかないです。
METAL DISTはアンシミュではなく歪みエフェクターシミュ(BOSSのメタルゾーン)で、唯一それなりに使える歪みペダル。(セッティング的にはプリアンプが無いという変な状況ですが…)
キャビがUKでミドル強調、USでドンシャリって感じですか。ブリッジミュートでズンズンするならUKでヘビィロック系のガガッガガッってのならUSって感じで使い分けるのがいいかも。
ハム搭載ギターならGAINは5-6くらいが無難。
サスティンねぇなって思ったら歪み上げるよりコンプかけた方がいいかも。

総じてこのマルチはメタル系の歪みがイマイチなのですが、このMETAL DISTはわりとイケる方です。
あんまアンプって感じの歪みじゃないですけどね。
アンプっぽい歪みが欲しい時はUK MODERNを使います。

【参考プレイ動画】『Phallic Tractor』Racer X

ポールギルバードのバカテクバンド、Racer Xの『Phallic Tractor』という曲を弾いたものです。
ギターはEMG81搭載のIBANIZ S320で、全音1音下げで弾いてます。
これは確かキャビはUS V30の方を使ったと思います。ブリッジはUKキャビと言いましたが、ダウンチューニングの場合はUSの方がまだ良かったと思います。
やはり本家のアンプ(LANEY)っぽさは全く出せませんが、まぁこれはこれでいいんじゃないでしょうか。
ブリッジミュートしてる低音リフはわりとそれなりにはなるんですが、
単音ソロとなるとやっぱ薄っぺらさが隠し切れません。

他動画ではXやSlipknot、Slayer、Freak Kitchenなどもこの設定で弾いてます。
何気に一番使用率が高いかも。

 

基本上記3つがあれば後は細かい調整でほとんどカバー出来てます。自分は。
クリーンは適当にやってりゃそれなりの音になりますのでやっぱ厳しいのは歪みだと思います。
他のも設定次第では結構使える音になるかもしれませんがうーん…ってな感じですかね。

 

■音作りのポイント

リバーブでAIR感を出す。

基本は歪みが音作りのメインなわけですが、何気にリバーブの設定も結構重要です。
気持よさが違いますし簡単にそれっぽい感じになるんでとりあえずかけときましょう。
コツとしてはディレイ短めにしてダブリングっぽくすればキャビのAIR感が出てきます。
特に単音リードの音作りではこれが結構ポイントです。音太くなりますんで。

実際リバーブについてはDAWやミキサー側で後から調整できるので、プロの現場では逆に全くかけずに録音したりするんですが、エフェクター側のリバーブについては単純に歪み等と同じ音作りの1種と捉えてやるといいと思います。

そういやAX1500Gの時はキャビに「AIR」って設定があったんですけどね。
何だかね、プレゼンスの項目と共に無くなっちゃったんで。
アンプとキャビのパラメーターも分かれてて細かい設定できたんですがそれが同一化されちゃったのは何だかなぁと思いました。まぁその分音作りはやりやすくなったんですけど。

歪みは少なめに

ギター教則本なんかでよく初心者に向けて言われるセリフですが、これはマジで重要です。例えばゴリッゴリの歪みのように聴こえるスリップノットですらよーく聴くとほとんど歪んでません。

じゃあどうやって歪ませるかっていうとピッキングで歪ませます。これはアンシミュでも実機アンプでも同じです。このニュアンスを覚えておくと実機アンプを使う際に生きてきます。歪ませすぎると簡単に音割れしますし、何より音が前に出てきません。

バンド練習なんかであれー?何か俺のギター音聴こえないなー。ちょっとボリューム上げちゃえっと。ってやってるキッズは大抵歪ませすぎです

そうしてベースは無言で音量を上げて音がぐわんぐわんになり、ドラムは強く叩きすぎてスティックを折り、全く自分の声が聴こえないボーカルが不機嫌になるというダメダメバンドが出来上がります。自宅練習での歪み量に慣れちゃってるからそういう事になります。そういうギタリストには優しく「歪ませすぎなんだよクソ野郎」と言ってあげましょう。

コツとしてはまず目指したいギリギリの歪みの量を決め、がんばってピッキングしたらその音が出る量に調整することです。ギタリストはがんばるのが仕事なんで楽しちゃダメです。

クリーントーンはコンプをうまく使う

コンプレッサーというとピッキングニュアンス誤魔化し機というイメージがありますが、クリーントーンやカッティング系なんかでは必須のペダルです。プロでも調整が非常に難しい部分なので、単純に音量を稼ぎたい時とか粒を揃える程度に軽く使うのがよいと思います。

反対に歪みソロの音なんかでコンプを使ってはいけません。ニュアンスも糞もない無表情ギターになってしまいますので。

音量調整は一番音量が低いアンプモデルを基準に

他アンシミュもそうですが、モデルによって音量のバランスがめちゃくちゃ違います。下手に歪み系のアンプを基準にしてしまうと、他のクリーン系アンプを使う際に音量が全然足りないということになりますので、最初から音量が低いアンプモデルでマスターボリュームを調整するのがポイントです。

 


とまぁひとまずこんな感じですかね。
ネット上にAX3000Gのこと書いてる人がほとんどいなかったので書いてみました。
どう考えても今の価格に釣り合っていないほど破格の性能ですので
\10,000前後でいいマルチを!って人にはかなりおすすめです。

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コメント

  1. ねこムサ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    はじめまして♪ ねこムサと申します。
    自分はKORG A4からの買換えだったんですがやっぱ歪系が出せなくて…
    ってよりプログラムに何故それらしいのがない?時点で怪しんではいましたが(笑)
    レビューすんごく参考になりました♪
    まだまだ使い初めでPCとも繋げられてませんが自分なりに頑張ってみます♪
    今後も誰風味sound(QUEENのブライアンメイやら)とかの更新UPしていただきたいです♪

  2. ワス より:

    SECRET: 0
    PASS: 2ebd96dd17fe3262170b4e4eecc220c6
    こんにちは、ワスです。
    1年くらい前にこのAX3000Gを買って
    タンスの長物になってたので引っ張りだして
    ネット検索かけてみると、あらいいブログありました。
    とても参考になります^^
    質問なのですが
    音作りの際の接続がいまいち分かりません。
    ギター→AX3000G→PC→ヘッドフォン出力で
    よろしいでしょか?
    まったく分からないのですが。。。
    また、↑の接続であっている場合
    AX3000GとPCをつなぐには
    どのようなものが必要になってきますでしょうか。
    質問ばかりですみません。
    お暇がありましたら回答のほどよろしくです^^

  3. よしおちゃ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    こんちわ!
    接続は自分のやり方だと
    ギター→AX3000G→ミキサー→ヘッドフォンでやってました。
    ミキサーへはオーディオインターフェイスを経由してPCからの音源をミックスさせています。
    ワスさんが言う音作りの際の接続とはエディットソフトを使ってPC上で音作りをするためでしょうか?
    であればAX3000GのMIDI端子からMIDIケーブル→オーディオインターフェイス等で
    PCに繋げば使えます。
    なので別途USBMIDIケーブルかもしくはMIDIオーディオインターフェイスを用意すれば
    解決すると思います。
    単にエディットをPCでするだけならUSBMIDIケーブルでいいと思いますが、
    将来的に録音とかするならオーディオインターフェイスの方が何かと便利です。
    今は1万出せばレコーディング用DTMソフト付きで十分いい奴が買えますし。
    おすすめは自分も使ってるTASCAMのUS-144MKIIです。
    ではご武運を!

  4. ワス より:

    SECRET: 0
    PASS: 2ebd96dd17fe3262170b4e4eecc220c6
    返答有難うございました!
    参考にしてがんばってみますね。

  5. よしおちゃ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >ねこムサさん
    こんちわ!
    実はAX3000Gはもう手放してしまったので
    音源のUPはもうできないのですが…。
    AX3000Gは今使ってるPODでも出せない味がありますので
    頑張って使い倒してください!
    ちなみにブライアンメイ風味はAC-30にコーラスで
    似たような音出せたかなみたいな記憶がありますw