たまには音楽の記事を書こう。
と思ったので今回は自分の趣味の記事です。
ひとつ注意点としては紹介するのはわりと変態的な頭おかしい系のギタリストが多くなります。なぜなら単純にそういうのが好きだから。
ちなみに紹介する音源はすべてApple Musicやamazon music等々音楽配信サービスでいくらでも聴けます。いい時代になったもんだ。
目次
次世代インスト界の帝王「Intervals(インターバルズ)」
まずはカナダ出身のプログレッシブメタル、このトムモレロみたいな人、アーロン・マーシャルのソロプロジェクトIntervals(インターバルズ)です。
最近のインストムーブメント(?)はコイツから始まった、と言うのは過言すぎるけど新鋭バンドに影響を与えまくったのは事実かと。
特に2ndアルバムでの異次元のクオリティに全俺がぶっ飛んだ、ともっぱら話題です。
元々ジェント系インストバンドとしてEPを2枚出し、満を持しての1stフルアルバム「A Voice Within」ではボーカルも入り(というかベースの人がなった)、いよいよ純粋なジェントバンドとして本格始動かと思われていた矢先、
「思ったけどさ…やっぱボーカルいらねぇや、あとお前らも全員辞めろ」
と、いうようなやり取りがあったか無かったとかはともかく、めでたくアーロン以外のメンバーは全員脱退し、今ではソロプロジェクトとしてアルバム毎にメンバー集めてやったりしてます。
そもそもがアーロンはインストがやりたかったようですが、他のメンバーはそうではなかったようで、そのあたり軋轢があったようです。直後にわざわざ1stのボーカル抜きのインストアルバムまで出す始末。どんだけ気に食わんかったんだ。
そんな騒動がある前のEP2枚と1stもジェント系プログレメタルとしてはめちゃ高品質なので、Peripheryみたいな「きれいなジャイアン」タイプがどうにもハマらない人にはIntervalsの方がハマるかも。
2ndからはゴリゴリのジェントでもないので、むしろ80/90年代あたりのギターヒーロー系インスト好きにおすすめできそう。ジョー・サトリアーニとか、スティーブ・スティーブンスが好きな人には懐かしく感じられる部分もあったりするんじゃないだろか。
多くのフォロワーを生み出していて、後述のセルゲイゴロヴィンが「FABLE」をカバーしてたり、ポリフィアがかなり影響受けてたりする(というかアルバムに参加しまくってる)
このアルバムを聴け!「The Shape of Colour」
前述通りみんないなくなった中、制作された2ndフルアルバムであるので、アーロンも何だかんだでメンバーの有難みを感じるんじゃないかな?と思ったらこれがまぁインスト界に伝説を残す勢いの名盤だったため、あ、ほんとにボーカルも他のメンバーもいらんかったんやね、と納得してしまいました。
特にこの③の「FABLE」のギターリフとかめちゃめちゃカッコいい…!
Intervalsが次世代インスト界の帝王って言っちゃえるのは、やっぱ圧倒的に曲展開が美しく、圧倒的にメロディがいいのよね。
この「FABLE」にしても、歌じゃない歌が聴こえてくるような不思議な感覚になったり、何気ない1フレーズが曲全体に影響してて「こう聴かせるか!」みたく、アプローチに一切の無駄と妥協がない。難しいことできるテクニックはあるのに、あえてギターを下げるとこは下げたり、変にテクニックで誤魔化さずちゃんと「聴かせる曲」ってとこを重視してるとこが潔い。
まぁそんな小難しい事考えなくても十分カッコいいってとこが一番ですけどね。
ちなみにこのアルバムでサポートのDrとBaやってるのが元ペリフェリーと元プロテストザヒーローっていう。テクニカルバンド界隈ってそもそも弾数が少ないのか、欧州サッカー並みに流動性激しい。「元〇〇」みたいな肩書多すぎやねん。
若手インストの最前線「Polyphia(ポリフィア)」
あらやだイケメン…
そんなマダムにお勧めしたい次世代インストプログレバンド「ポリフィア」です。
なんつったってオシャンティーなんだわ。だっていきなりバイク乗ってギター弾いてるんだよ?んでそれが絵になっとるんだわ。ロブハルフォードが乗ってたらマッドマックスの悪役みたいになるだけだけどティム君ならハマっちゃうんだよね。なんかもうハイスクールミュージカルとかに出ててもおかしくないルックスだし。
ただこんな面してジェント系ゴリゴリの時代もあったり、若いだけに(?)ヒップホップやダブステップを取り入れたり、とんでもなくプログレッシブ・ザ・ド変態な曲もあったりしてもうキャー!っとなったりもするのがこいつらの面白いところだ。
何気にギターテクより”クセが強すぎるリズム”の方に注目した方が面白いかもしれない。
デビュー時のEP「Inspire」ではゴリゴリのジェント系メタルだったけど、1stフルアルバム「muse」では前述Intervalsの名盤「The Shape of Colour」を匂わせる完成度の高いギターインストに、2ndアルバムの「Renaissance」からは徐々にクリーンサウンドの割合が増えていき、「THE MOST HATED」ではがっつりダブステップを取り入れて「人力EDMギターインスト」とも言えるサウンドに、そして最新アルバム「New Levels New Devils」においては、変則リズムに不協和音というマスロック/ポストロック的な方向へ向かってる。
たかが5年程度でここまでサウンドが変わるバンドも中々ないんじゃないか。節操無いと言えばそれまでだが、常に”スピードの向こう側”に挑戦しているバンドと見ることもできる。まだ20歳代そこそこだし個人的には行くところまで行ってほしい。このペースで行くと30歳代くらいにはもうギターに飽きてテルミンとか演奏してそうだが。
サウンドがコロコロ変わる要因としてはアルバムの半分くらい他のギタリストをfeat.してるってのもあるかもしれない。バカテクで有名なジェイソン・リチャードソンを始め、初期は毎回のようにIntervalsのアーロン・マーシャルが参加してて、ジェント系を止めたのもアーロンに付き合わされたんじゃないかと疑いたくなる。
まぁジェント系やってても一般ウケはせんだろからね。ある日突然「歪みねぇな…」みたくなっちゃったのかもしれない。それでもマスロックなんてさらに一般ウケしないと思うが。
ちなみに「THE MOST HATED」で9mm Parabellum Bulletのインフェルノをカバーしてたり、後述の最新アルバムではゲス極川谷とichikoroというバンドやってる日本の新鋭ギタリスト、ichikaをfeat.してたり、日本ともわりと関りが深かったりする。
御多分にも漏れず日本のアニメ好きらしく、9mmのインフェルノを選んだのもベルセルクのOP曲だからじゃなかろうか。(9mmが日本インストレーベルの雄である残響レコード所属という縁かもしれないが)
このアルバムを聴け!「NEW LEVELS NEW DEVIL 」
前述通りアルバムごとにジャンル自体違ったりするが、ここはあえて2018年リリースの最新アルバムをおすすめしておく。
前述通りDjentからもメタルからも脱却しつつあるので、メタラーとしては残念な部分もありつつも、「シングルコイルのクリーンサウンドでバキバキ言わせてるド変態インスト」って個人的に大好物であるのであえて一番にお勧めしたい。
それにしても①②にこれを持ってくるあたり顔ファンを突き放しにかかってるんかと疑いたくなる。①なんて変態的なダブステップに加え、後半のギターソロではJason Richardsonがやりたい放題やっててある意味心配になってくる。
まぁ純粋なインストとしては「muse」の時点でかなりやり切った感あるし、ゴリゴリのジェントなら初期EPで十分やり切ってるんでまぁ今後しばらくはこの方向でいいと思う。ただゲストギタリストをfeat.しすぎ感あるし、ちょっと変な方向へ行こうとしてるみたいなので、次は誰か良いプロデューサーでも付けて時間かけてもいいから自分たちだけのアルバムを作ってほしい。多分いいものができる気がする。
アーロンとジェイソンとはもう縁を切れ。電話番号変えろ。
ターミネーターギタリスト「Sergey Golovin(セルゲイ・ゴロヴィン)」
ロシアから愛を込めて、なジェント系ギタリスト。
JTC Recordsという、現代のギターヒーローを集めたギター教則サイトでテクニック解説やTAB譜を公開してたりする。言わば先生でもある。
基本はエフェクターに頼らない純粋なギターヒーロータイプのギタリストであるが、反面どんな機材で弾かせてもうまいため、機材のデモ動画なんかでよく見かけたりもする。そしてその「デモ動画のために簡単に作りました」みたいな曲がいちいちバカテクでカッコいいんである。いい加減にしてくれ。
特にお気に入りの曲はこの「HeadBreaker」とにかくブッ飛ぶから聴いてくれ。
刮目せよこのリフのアイデアの嵐。
ミュートバッキングからの超高速スウィープ、ゴリラアーミング、両手タッピング。これを変則リズムに乗せて正確無比に弾ききるなんてどういう育ち方をしたらそんな発想ができるんだ?
ロシアほんまおそロシアである。
基本的にバカテクなのはもちろんだが8弦ギターを使用したり、アーミングを駆使したり、飛び道具的なテクニックがあちこちに出てくるあたり、マティアス・エクルンドやロン・サールあたりの変態ギタリストと同類と言っていいかもしれない。
ただリズムセクションにはダブステップやEDM系を取り入れたりセルゲイの方がいくらかモダンである。
未来からやってきた変態みたいな趣だろうか。ターミネーターじゃん。
このアルバムを聴け!「Changes」
満を持して2014年にリリースされたフルアルバムではあるが、出た当時はAmazonですら取り扱い無しという状況だったため、このYoutubeの音だけを取り出して聴いていたのは昔。今ではApple Music等の音楽配信サービスで無料で聴けるんだからありがたい。
中身と言えばこれがまた非常に高品質なジェントメタルインストに仕上がっていて、個人的にジェントとしてもベスト3に入るんじゃないかという出来。前述の「HeadBreaker」も③に収録されている。ボーカル入りの曲もあるがアーロンじゃないけど正直いらんと思う。
今のところ音源としてはこれと最新アルバム「Sculpture」のみである。Amazonでも取り扱っているが誰もレビューしてないのでもしかして誰も聴いてないのかもしれない。新しいもの好きな日本人こそ聴くべきだと思う。
できれば機材紹介とかでちょろっと弾いた曲とかもまとめて音源にしてほしいが。Youtubeで検索すれば色々と出てくるのでそれで我慢するしかないか。
(※追記)現在ではPrime MusicやApple Music等サブスク配信されてます。
ガッツリEDM×Djentだけど誰も知らない!「marcell Roncsák(マルセル・ロンサーク)
冒頭で今回紹介するアーティストはすべて音楽配信サービスで聴けると言ったな、
あれはウソだ。このマルセル・ロンサークの楽曲は一切聴けない。(正確には海外のApple Music等では2曲だけ出てくるが、日本では配信されてない模様)Amazonですらほぼ取り扱い無しという徹底っぷりだ。楽曲を手に入れたければBand Campからストリーミング音源を手に入れるか、YouTubeから音源のみ取り出すしかない。
セルビア出身のギタリストらしいがWikiすらないので詳細が全くわからない。
いわゆるYouTuberのようでもあるが、その再生数たるや悲惨なもので、上記動画ですら6,000回程度である。。
なんでなんだろう?EDM×Djentインストという今の流行を遺憾なく取り入れカッコ良く昇華しているし、テクニックも申し分なく、前述のセルゲイゴロヴィンよりも変態さで言えばこっちのが上かもしれないほどなのに。
このアルバム動画を見ろ!
彼は一応アルバム1枚とEP2枚を出しているが、MVが面白いのでYouTubeの動画を見た方が良さが伝わるかもしれない。
中でも個人的にお気に入りなのはこの「Metal Kombat」という曲。見てもらえればわかるが往年のファミコンサウンドを現代のDjentインストにアレンジしたその楽曲もさることながら、動画のアイデアが非常に面白い。
格ゲー画面に準えて2人のギタリスト(※どっちも本人)がバトルをするという、無駄に凝りに凝りまくったMVである。どうにもギターテクニックで相手の体力を削っていって戦意喪失させた方が勝ちというゲームらしい。
個人的に右のマルセル君がストラトでジェントやったりしてて面白いのでがんばって欲しいが、左のマルセル君のテクニックには敵わなかったようだ。なにそれ。
最後にエンドロールが流れるが、本人含め3人しか名前が出てこない。ひと昔前にニコ動で流行った「全部俺」に通じるものがある。一人はエンジニアのようなので実質もう1人と2人でこの動画作ったのかな?そう考えると結構すごい。
そんなマルセル君であるがまだ24歳くらいと若い(上の動画とか20歳そこそこで作った?)ので、さっさとどっかのレーベルに入ってちゃんとしたアルバムをリリースしてApple Musicとかで聴けるようにしてほしい。
キュートな名前して汗臭い「Straberry Girls(ストロベリーガールズ)」
こんなバンド名だが実際は見た通りむさいオッサン3人組の3ピースインストバンドである。何を考えてこんなバンド名にしたんだろう。
ストロベリーって面でもねぇし、ガールズでもねぇ。
実力的にはポリフィアやCHONにも負けないくらいなのに、YouTubeの再生数が2桁くらい違う要因はどう考えても「おっさんだから」であろう。世間というものは残酷ではある。
曲名は「First Kiss」ってやかましいわ。
前述してきたバンドとはまた出どころが違い、メタル系でなくDance Gavin Danceというポストハードコアバンドの元ギタリストであるザカリー・ギャレンが中心となって2011年に結成されている。いわゆる音楽性の違いから派生したバンドであるが、元バンドとは一緒にツアーを回ったりそれなりに良好なようだ。
そのためそのプレイもメタル的なアプローチとは少し違い、サウンドもポストロックらしくテレキャスのバキバキの音をベースに多彩なエフェクターで音作りをしてたりする。アメリカのバンドなのにどことなくUKロックっぽい雰囲気を感じさせる。
さて、その曲の特徴としてはまずはとにかくリフの数が多い。いやほんととにかく多い。1曲平均で違うリフが20個くらい平気で出てくる。まとめろ、もっと。
しかし待てよ諸君、これは悪口のようでそうでない。このオッサン達の凄いところはそのリフの引き出しが実に多彩であり、そのすべてがメインリフとして成立するほどカッコいいんである。このまま「地獄のギターリフ100選!」みたくヤングギターから教則本で出してほしい。
そしてそれをとにかくリフレイン!繰り返す。8回ししたらハイ次、みたいな。ひたすらにリフが生産される工場でベルトコンベアに乗ってる気分になってくる。
そしてメインリフかと思ったリフを最初に弾いたきり二度と戻ってこないまま曲が終わることが多々ある。創造性ゼロの人間からしたら「オイオイ勿体ない使い方すんなよ!」と言いたくなる。
それでも聴けちゃうのは前述通りすべてのリフがメインリフとして成立するほどキャッチーで物凄く耳に残るから。個人的なエピソードでは仕事中「Negro Spiritual」の1フレーズがずっと頭で鳴っていて気が狂いそうになったことがある。
あとこいつらはライブがむちゃむちゃ熱い。下記は「Spanish Bay」のスタジオライブであるが、聴いてくださいよこのテレキャスのバキバキリフを。めちゃ熱いでしょ。オッサンのくせにめちゃかっこいい。
今や違う意味で流行っているが、ポストハードコア出身だけに90年代のエモロックを思わせる感情赴くままのプレイをしてくれるのでこっちも熱くなってくる。エモいってのはこういうのを言うんだよ。
そんなエモいの意味をはき違えてる若い娘たちにも見てみてほしいこのおっさんずラブを。見終わったころにはちょっとだけザカリーが田中圭に見えてくるはずだ。
このアルバムを聴け!「American Graffiti」
3rdアルバムの「Italian Ghosts」が1stEPの再録なので、2015年リリースのこれが実質最新アルバム。前述の「Spanish Bay」も収録されてる。ヘビィな早弾き曲もあり、ポストロック的な雰囲気もあり実にエモくて多彩な曲揃いなので、いちご娘を知るには一番手っ取り早いと思う。
このアルバム、「feckingbahamas.com」というマスロック/ポストロック系を扱うオンライン音楽サイトで2015年度ベストアルバムの13位にランクインしているんだが、そこで1位になったのはCHONである。やはりオッサンでは若さとイケメンには勝てないのか。。
ちなみにWikiに書いてあったんですが、バンド名は80年代のポストパンクバンドの曲名から付けたそうです。だとしても付けるなよそんな名前。
まとめ
さて、こんな感じでいかがでしたでしょうか。ちょっとでも聴いてみようと思うアーティストはいたでしょうか。これらの音源はすべて(一部除く)amazon music等の音楽配信サービスにて無料で聴き放題です。
こういうニッチなアーティストは、ちょっとでも「二ホン、カネニナルナ」と思ってもらえれば日本にも来てくれると思うのでガンガン聴きましょう。
おわりです。
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