「今際の国のアリス」は基本的に主人公アリスを中心に物語が進んでいくが、途中から「特別編」として違う時間軸での話が数多く挿入され、それが最終的に繋がる仕組みになっているため一見しただけではかなりややこしい話になっている。
なので、分かりやすいよう時系列にまとめてみた。各キャラの動きなど面白い事実が色々と見えてきたりと、これを踏まえて改めて読むとまた違った見方が出来て面白いかもしれない。
ちなみに言うまでもなくネタバレ全開なので注意。
目次
「全くりあ日」から遡っての時系列まとめ
原作中に出てくる各キャラごとの「~日前」や「滞在~日目」等の情報を全て洗い出し、基準日を「全くりあ日」にして遡ってみた。
一応アリスの「びざ」基準での日付も併記しているが、「今際の国」では、日付は7月をループしているため、7/31の翌日は7/1になることに注意(これがまたややこしい要因)
- 約6ヶ月前「前げぇむ」キューマ、クズリュー、シービラ、ミラが入国
- 約3カ月前「前げぇむ」全くりあキューマ達が「国民」となる。「現げぇむ」を製作?
- 約2ヶ月半前「現げぇむ」開始開始時期はマヒル入国のおよそ1週間前?
- 69日前(7/2)マヒル入国ニラギとアンもおそらく同時期
- 67日前(7/4)アグニ、ボーシヤ入国何気にこの二人よりマヒル達の方が先輩。
- 66日前(7/5)ビーチ幹部合流マヒルがクズリューと接触した日にアグニ、ボーシヤ、ニラギ、アンが合流。ちなみにハッタが入国(誰?と思われるだろうが「かまゆで」で速攻温泉を浴びて死んだボクサー)
- 64日前(7/7)ミラ合流この辺りでしれっと合流
- 59日前(7/12)ビーチ建国中アグニ、ボーシヤが夜通しプロパンガスを運んだりして頑張る。ビーチの建国が早すぎる気がするが、ミラが合流時に教えた可能性がある(将来的に「まじょがり」を行うため)
- 55日前(7/16)ヘイヤ入国「かまゆで」ここからソロで55日間生存はスーパーJKすぎる。
- 51日前(7/20)ビーチに希望を秩序維持のためアグニ、ボーシヤが敵対の体を取ったり、ナンバー制を導入したりと。トランプ集めも開始。
- 40日前(7/31)モモカ、アサヒが「でぃいらぁ」として入国チシヤやクイナもこの辺りで入国?。
- 33日前(7/7)ボーシヤご乱心ビーチ3つ目のルール制定。ボーシヤが狂気染みてくる。
- 31日前(7/9)ウサギ、シブキ入国何気に揃っての入国。シブキは「でんしゃ」をくりあし、ウサギのげぇむ内容は不明だがスペードの4をくりあしている。
- 29日前(7/11)アリス、ソルベ、チョータ入国「おみくじ」をくりあ。
- 28日前(7/12)「おにごっこ」アリスがチシヤ、ウサギと初対面(ただしこの時アリスはチシヤとほぼ面識が無い)この日は他にウミガメ(ジャーナリスト)が入国したり、特別編「らんなうぇい」もこの日(ヤマネ死亡)
- 27日前(7/13)ソルベが「ビーチ」の情報を得る何で早くみんなに教えなかった?
- 26日前(7/14)「かくれんぼ」ソルベ、チョータ、シブキ死亡。3日間アリス自暴自棄に。
- 23日前(7/17)アリスとウサギ再会ビーチ捜索開始
- 21日前(7/19)モモカ、アサヒがビーチに潜入結局ビーチは見つけさえすれば誰でも入れたっぽい。
- 17日前(7/23)アリスがビーチ発見「また新入りが2人迷い込んできやがった」の「また」は、この4日前に来たモモカ達のことだと思われる。
- 14日前(7/26)「あんけぇと」アリスとこの日入国したドードーが参加しくりあ。ウサギも別げぇむに参加した模様。同日クズリューがモモカと接触。
- 12日前(7/28)ボーシヤ死亡クズリューが死んだ体でビーチから離脱。ミラが現地に残ったのは、、単なる趣味だと思われる。
- 11日前(7/29)アリス監禁されるアグニがビーチのNo.1に。チシヤの悪巧みにアリスまんまとハマる。
- 10日前(7/30)「まじょがり」モモカ、アサヒ死亡、ビーチ崩壊。
- 9日前(7/31)「ふぁあすとすてぇじ」くりあ偶然なのか日付が丁度7/31。ここから3日間「いんたぁばる」
- 8日前(7/1)ビーチ追悼式ドレッドの下っ端はどこ行った?
- 7日前(7/2)マヒル旅に出るちなみにマヒルは同日中に区内に戻ってきている。その一方アリスはウサギにフラれる。夜に「国民」によるねくすとすてぇじ開催宣言。
- 6日前(7/3)「ねくすとすてぇじ」開始アリス達が「すうとり」くりあ。キューマ死亡。一方でアンがダイヤのQをくりあ。さすがアンさんだぜ!
- 5日前(7/4)特に無し何の動きも無かった日(もしくは「げぇむ」に挑んだがくりあできなかった?)
- 4日前(7/5)マヒル、ウミガメと出会う二人は「答え」に迫るも、直後にウミガメ死亡。何者かがスペードのQをくりあ。ぷれいやぁ人数残り175人
- 3日前(7/6)アリス×ウサギヘイヤがくりあした温泉(?)に入った後二人は、、
- 2日前(7/7)「どくぼう」開始一方、ドードーを匿ったサバゲーチームがシービラによって全滅させられる。その後アグニと遭遇。
- 1日前(7/8)「びじんとうひょう」開始「どくぼう」がくりあされた頃、チシヤが「まあじゃん」をくりあ。その足で夜「びじんとうひょう」へ参加。同時刻頃にアグニとシービラが戦闘開始。アリスがウミガメのカメラを拾う。
- 0日前(7/9)全くりあ深夜にチシヤが「びじんとうひょう」をくりあ。クイナとマヒルが「スペードのJ」「クラブのQ」をくりあ。ドードーがヘイヤ、アグニと合流。アグニがシービラを倒し「さばいばる」くりあ。全員集合後、最後にアリスとウサギが「くろっけぇ」をくりあし、全くりあ。元の世界へ。
考察
「前」げぇむ時期と周期
後に「今際の国」の国民となるキューマが入国したのが、「アリス『達』現ぷれいやぁの入国5ヶ月前」とあるので、全くりあからは最低でも6ヶ月以上前に開催されたと思われる。
ミラとシービラが一番入国が早く、クズリューは1日、キューマは2日遅れ。キューマ基準だと「ねくすとすてぇじ」開催が85日目なので、「いんたぁばる」が3日あると考慮しても少なくとも1stステージくりあまで84日以上(開始からは90日程度?)、最終的に「前」げぇむは全くりあまで94日(開始からは100日程度?)かかっている。
アリスたちは少なくとも70日程度で1stステージをくりあし、全くりあは80日程度と前げぇむより早い。(これはクズリューが「異例の早さ」と謳うことからも分かる)ビーチでの明確な目標と結束が結果的に大きな要因となったのだろう。
よって大体一回の「げぇむ」周期は「3カ月程度」と考えられる。
ちなみに「げぇむ」自体に制限時間は存在しないようなので、国民とでぃいらぁになった時点で現世に戻ることは不可能(現世では死亡確定)だったと思われる(「ぷれいやぁ」が後からどんどん入国してくる時点で国民側が勝つことはほぼ無理ゲーなため)
なので最初から「現世で死亡確定した人が国民とでぃいらぁになるよう仕組まれていた」と思われる。
「げぇむ製作期間」と「でぃいらぁ」の入国時期
「前げぇむ」くりあ後、キューマ達が国民になることを選び、その後アリスたちの「現げぇむ」ぷれいやぁが入国するまでの2週間程度の間に現げぇむの製作が行われたかと思われる。
げぇむの企画自体は国民が行っていたんだろが、実際の配置や片付けは「でぃいらぁ」が行っているので、最初のげぇむ開始前に「でぃいらぁ」は入国している必要がある。そのため「ぷれいやぁ」より入国時期は比較的早めだったと思われる。
遅れて「でぃいらぁ」として入国したモモカとアサヒは、先に死亡した「でぃいらぁ」の「補充要因」だったのだろう。それにしても担当の「げぇむ」をくりあされると死亡とか、「でぃいらぁ」は全然ラッキーな側では無いと思う。(1人だけ生き残る系では担当した時点で死亡確定では?)
現「げぇむ」開始時期
前げぇむにしてもスタート時期が書かれておらず、大概の「ぷれぃやぁ」が途中入国となるためハッキリとしたスタート時期は不明。というか「げぇむ」の性質上、「ぷれぃやぁ」は誰も「自分が最初の入国者」だと認識できる術が無いので、国民か「でぃいらぁ」にしか分からない。
なので、各キャラの発言や滞在日数からの予測になる。
まず、入国日がハッキリしている中で最古参であるマヒルの入国が全くりあから69日前であり、さらにその前にも入国者はいた(マヒルはクズリューに「僕は『まだ』3日目なんだ」と、他にもっと先に入国したぷれいやぁがいるような発言)とすると、最低でも70日以上前だと思われる。
また、マヒルは「入国日には最長で2ヶ月近い個人差がある」と言っているが、仮にこれがビーチ滞在中に「アリスを最も新人」として調査した結果だとすると、アリスとマヒルのタイムラグは40日間なので、マヒルより約20日前に入国した「ぷれいやぁ」がいたことになる。
ただし、そう仮定すると「ふぁあすとすてぇじくりあ」までに80日間程度かかったことになり、クズリューの言う「今回異例の早さでくりあ」は少し違和感がある。(クズリューたちは前回90日程度でくりあしている)また、前くりあからほぼ準備期間無く現げぇむが始まることになるので、これも少し辻褄が合わない。
だとすると次の仮定としては、マヒルの言う「2ヶ月近い個人差」は、ビーチ離脱後に遭遇したぷれいやぁを調査中に、原作中で最も後に入国したドードーと同時期に入国したぷれいやぁ(もしくはドードー本人?)に聞いた結果ではなかろうか。
とするとドードーとマヒルの入国日の差が55日間なので、仮にマヒルより5日程度先に入ったぷれいやぁがいたとしたら「2ヶ月程度の個人差」という発言にも合うし、ふぁあすとすてぇじを70日間程度でくりあしたことになるので、「異例の早さ」というのもまぁ分かる気がする。
なので結論としては、現「げぇむ」がスタートしたのは「全くりあから約80日前」だった、というのが現実的なところかと思う。
ビーチと幹部の関係
ボーシヤが「楽園を作る」と宣言し、マヒル、クズリュー、ニラギ、アンと合流したのは入国日翌日である。その後わずか一週間程度でビーチは最低限生活できるレベルにまでなっている。
ボーシヤの行動力を持ってしても、ビーチ発見からがあまりに早すぎるため、ビーチに関してはミラが合流時にある程度お膳立てをしたのではないだろうか。(その後「まじょがり」の舞台とするため)
ミラが合流した日にビーチに誘導したとすれば、結果的にビーチは「まじょがり」開始まで55日間存在したことになる。そこまでの長期間あのコミュニティを維持したボーシヤとアグニは結構すごい。
ビーチ建国当初メンバーには国民であるクズリューとミラを除き他にマヒルとアン、ニラギがいるが、この辺りはボーシヤとアグニが親友だということを言わずとも気付いていてよさそうなのに「誰も知らない関係」と言われるのはちょっと違和感がある。あえて敵対してる体を取っていたのなら、アンはボーシヤが殺されたと知った時点でアグニに教えても良かったはず。まぁそこまでの関係でもなく、そもそも犯人なんだから教えてもどうにもならなかったとは思うが。。
全身大火傷でアリスに二回もフルボッコにされた挙句、ショットガンで撃たれてもしぶとく生き残るニラギだが、気になったのはチシヤとの関係で、原作中特に書かれてないのに「ムカツクんだよ、オレ自身を見ているようで」と言われたり、「似た者同士」と言ってみたり、何か確執があったような絡みがいくつかある。嫌われ者の遺伝子みたいなのがチシヤの癪に触ったのかもしれないが、火だるまにされるほどではないような気もする。最後は仲良く病室のベッドで隣同士だったり、今際の国において一番謎な関係かもしれない。
マヒルの立ち位置も気になるところで、どのグループにも属さずどんな役割だったかも分からない。まぁ協調性を象徴するような世渡り上手なキャラなので、どんな過酷な環境であっても戦火は避けてそうではある。「ふぁあすとすてぇじ」くりあ時点で残りびざ30日と圧倒的な実績があったため、どのグループからも一目置かざるを得ないみたいな存在だったのだろうか。
まじょがりにおいて、真っ先に疑われてもいいミラを誰も気にしてないのも気になる。幹部連中からしたら自らビーチに寄っていったであろうミラが一番怪しいと思ってもいいはずなのに。一番魔女っぽいし、、
チシヤの入国時期
主要な登場キャラの内、特にチシヤはハッキリとした入国時期が分からない。
ビーチではNo.9まで上り詰めているため、一見結構な古株だと思われるが、ビーチはトランプを多く寄与するほど昇格できるシステムなので、単独でげぇむに参加し、敗者から回収するチシヤの方法であれば新人でも結構早く昇格することは可能だったと思われる。
そもそもがチシヤの性格上「びざ」の獲得目的抜きにして「げぇむ」に参加しまくっていた可能性が高いので、多くのぷれいやぁと接触して早めにビーチの存在を知った可能性も高い。よって入国時期はアリス達とそう変わらないとも考えられる。
反対に、今際の国において入国時期の差が「死の淵に近かった人ほど早い」とすれば、並んで重傷だったニラギと同時期、つまり開始当初だった可能性もある。
しかし、初日のげぇむである特別編③「ぶらっくじゃっく」において、景品として銃と弾倉を手に入れており、その銃をアリスとソルベが参加した「かくれんぼ」にて「初めて」撃っているため、少なくともアリス達とそこまでタイムラグは無く入国した線が濃厚か。
よって現実的なところでは、アリス達が入国する2週間ほど前だったのでは無いかと推測する。
ちなみに「ぶらっくじゃっく」が「だいやの6」だったのにも関わらず、チシヤの残り滞在可能日数が「7日」でなく「9日」になっているが、これは恐らく最終チップの枚数が滞在日数としてプラスされた結果だと思われる(最後のバーサンとチシヤの残りチップ数が28枚で、全賭けしてチシヤが28×2=56枚=56時間獲得)
結果次第で滞在日数がプラスされる類の「げぇむ」があるのなら一見おいしい話ではあるが、「生き残るのは1人だけ」等の強烈なリスクがあると思われる。それを考えると「かくれんぼ」が如何に救いのないげぇむだったか分かる。(まぁラム肉も貴重と言えば貴重だが)
主人公アリスの立ち回り
主人公であるアリスが入国したのは「全くりあ」から30日前で、今際の国には結局1カ月程度滞在したことになる。入国したのがビーチの幹部連中からおよそ1カ月半程度遅れなので、げぇむ全体から見ると中盤から参加と結構新入りの部類になる。
ドードーと参加した「あんけぇと」は本編に急に差し込まれる特別編のため、時期は一見不明だが、ドードーの滞在日数(アグニと出会った日が滞在13日目)から逆算してアリス入国16日目、ビーチに着いてからの「空白の4日間」の4日目、びざ切れ前日の話なので、くりあしない限り死亡確定という結構がけっぷちな状況だった。
「あんけぇと」くりあによってNo.が上がり、部屋が割り当てられた(4巻18話)場面に繋がっている。ちなみにこの時ウサギも昇格しているので、アリスと同日に別げぇむにくりあしたと思われる。2人で参加しなかったのは、殺し合いになるげぇむだった場合を見越してのことか。
ねくすとすてぇじにおいては、キューマを倒した後は最終日までウサギとのんびりしていただけに見えるのでわりと影が薄いが、ウミガメの撮影記録を見ているため「今際の国」に関してはある程度まで確信に迫っていたと思われる。
今際の国の「日付」
今際の国のアリスでは「7月」しか存在せず、日付は7月を延々とループしている。これは日付だけの話ではなく、気候も7月のままであるため「7/31が終われば7/1がまた来る」みたいな世界である。
今際の国のアリスにおいて、ハッキリとした「日付」が出てくるのはアリスが初げぇむをクリアした後のびざ発行場面(1巻)と、モモカ・アサヒ入国時の入国予定者リスト(7巻)、ウミガメがびざを確認する場面(15巻)の3箇所しかない。(他の場面では謎の光で見えなくなっている)
アリスの日付を基準とすれば、アリスの入国日は7/11なのだが、モモカの入国日がリストでは7/3となっているため、これを照らし合わせるとなぜか日付が合わない。(モモカ入国31日目にまじょがりだが、アリス側の日付に合わせるとモモカ入国日は7/31が正しい)さらにモモカの日付に合わせるとウミガメはマヒルと合った日にびざ切れになっているのでこれとも合わない。(ウミガメが確認した時の滞在可能日付が7/8)
これについては、「モモカの入国日はあくまで予定日(実際は7/31)」「『ぷれいやぁ』と『でぃいらぁ』の日付は異なる」「そもそもびざの日付は全員違う」あたりが推測されるが、マヒルの回で「日付自体に大した意味は無い」と話しているので、あまり深く考えるものでもないのかもしれない。
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