ある日の昼間、家のインターホンが鳴った。
玄関先には工事服着た大悟(ex.千鳥)みたいな人が。
普段は知らない訪問者は相手しないんですが、その時はちょうど定例の夫婦ケンカ真っ盛りで「何となく気分を変えたい」という理由で表に出て話を聞いてみました。
悪徳リフォーム業者がやってきた!
「近くで工事してるもんなんですが、お宅の屋根が浮いて飛び掛かってますよ。危ないんでお伝えに来ました。」
屋根が飛んで行きそうだって?そりゃ事やん。どこ?ってな感じで一緒に見に行くと、
「あそこの棟板金、浮いてるのわかります?たぶん釘が抜けかかってるんですよね。あれだと風が強いと剥がれて飛んでっちゃうかもしれません」
遠巻きにウチの屋根を見ながら大悟は言いますが、正直言って全然わからん。
どこ?っていうか棟板金って何?
「あの屋根の継ぎ目被さってる部分ありますよね?あそこです。影になってますよね」
いや、全然わからん。
「近くで工事してる際に屋根から親方が見て気づいたので、行って伝えて来いって言われたんで来ました。」
大悟が気づいたわけじゃないのかよ。ってか親方すげー目いいな。
それ直すのって難しいの?いくらくらいかかるもん?
と聞くと、
「釘打つだけで簡単に直ると思うんで、知り合いの工務店とかいたら頼むとかすればいいですし、自分でも直せますよ」
あれ?と思った。
というのも最初から(これよくある悪質リフォーム業者のヤツだ)と確信していたので、
「今ならサービスで~円くらいで直しますからやりません?」
みたく言ってくるもんだと思ってたからです。
なので、そうですか。じゃ考えときますわ。と言うと「それでは私はこれで」と紳士的な感じで帰って行きました。
ひょっとしてほんとに単に親切な人だったのでは。。疑って悪かったな大悟。。とその時は思ったのですが。。
悪徳業者は2度やってくる
30分くらい経った後、またさっきの大悟が来ました。
「さっきの屋根の件、やっぱすぐ工事ってのも難しいと思うんで、ちょうど近くで工事やってて帰りがけなので、釘打つくらいならすぐできますんでやりませんか?」
あ、
そう来るのか。
なるほど、一旦引いて考える時間与えて「さっきの人にやってもらえばよかったのでは…」というところを見計らって再訪問するのか。。
確かにさっき自分でも疑って悪かったかな、っていう罪悪感がちょっとあったし、ワンクッション置くことで警戒レベルを下げさせるのか。
ここからは屋根登って、色々劣化してるから工事した方がいいって適当な見積もり出して契約させるって流れなんだろな…と。
物凄く教科書通りな流れなのでその手には乗るかよ。と思いながら、
「じゃあお願いします」
と、頼みました。
なぜなら、いいネタになると思ったからです。
実は大悟が帰った後に、屋根に上って様子を見てみたんですが、大悟が言うような明らかな屋根の浮きなんかは見受けられませんでした。
何本か釘が浮いてる部分もありましたし、細かいところを見れば劣化もありますが、遠目に見てわかるようなものではないです。サンコンでも無理。いやサンコンなら見えるか。親方サンコンだったらどうしよう。
で、その屋根の写真と動画も撮ったので大悟に見せてみました。どんな反応するんだろうと思って。
まさかこの短時間で屋根に上って動画まで撮ってくるとは思ってなかったのか、ちょっと言葉に詰まってましたが、
こっちの角度の見えない所ですかね~(そっちも見たけど何ともない)
みたくこっちから言ってみると、そうかもしれないですね~実際近くで見てみないと~とか言い出しました。適当だなコイツ。
ただこういうのネットではよく見かけますが、実際に何するのか、どういう見積もりを出してくるのか、実は悪徳業者とかじゃなくてほんとに良心的な業者かもしれんし。どんなものなのか興味がありました。
そのまま悪徳業者だとすれば、ネットには載ってない新しい手口とかあるのかなと。既に一工夫加えてきてるし。
ちょっと1時間後くらいに出かけちゃうんですけど、あとどのくらいで来れます?
と聞くと、
「あ、もう終わりかけなので、後30分くらいで来れますよ」
出かける予定なんてなかったんですが、もし話が長引きそうになった時に切り上げる理由を一応作っておきました。
そんなわけで約束を取り付け、訪問を待ちました。
悪徳業者は3度やってくる
それから30分後過ぎに今度は大悟の他2人の3人でやってきました。
結構強面な他2人の内1人が第一発見者の親方のようです。サンコンでは無かったですね。というかサンコン日本にいないですね。
実際の作業は親方がやるようで、大悟は助手的なポジションのようです。もう1人はやる気無さげに助手席でスマホ眺めてました。
親方からは大悟と同じようなことを言われつつ、ちょっと見てみますねと梯子をかけて屋根に上がっていきました。その足取りは実に軽やかだったので、「屋根に上るのうまい!」というあほの子みたいなことを思ってました。
大悟が言っている個所と全然違うとこをカンカンやってるので、ホウソウレンちゃんとしろよと大悟にちょっと苛ついてると、10分くらいで親方降りてきました。
「棟板金の釘打ち直したけど、中の木が結構腐ってるのでこれじゃすぐ浮いてきちゃう」
「屋根自体も錆が浮いたりしてだいぶ劣化してる」
と、写真を見せてくれながら説明してくれました。
写真はさっき自分でも撮ってたのでわかりましたが、見る限りほんとに今撮った写真でした。偽の写真とかじゃないんだ、そこちゃんとしてるんだなと。(大悟が写真撮ってたって教えたからかもしれないですが)
ほうほう、やはり釘打つ程度では済まないということですか。へぇー…
と、自分がなんとなく要領を得ないというか、深刻さが伝わってない素振りを見せていると、
「良ければ工事します?見積もり出しますんで早めに契約してください」
…みたいなことを言ってくるかと思ったんですが、一向にそこからの進展がありません。
「…。」
( ^ω^)…あれ、何も言ってこないな…
と、そんなに仲良くない人とエレベーター乗り合わせた、みたいな気まずい空気が流れます。
…え、これもしかして自分が話すターンなの?
自分から「じゃあ契約しますんで見積もりお願いします」とか言わなきゃいけないパターン?
と、コミュ障っぷりを発揮してる間に、大悟が「梯子しまっていいすか?」と、車に乗せだし、親方もそそくさと車に乗り込みだしたので、
あれ、これで終わり?
と思い思わず、これで終わりですか?と聞くと、親方から「何かあればここに連絡してください」と名刺を渡され、彼らは去っていきました。
悪徳業者は…悪徳業者だったのか?
以上のように、悪徳リフォーム業者に騙されかけた話、、と言いたいところですが、実際高額な見積もりを提示されたわけでなく、契約を強要されたわけでもないので、悪徳だったとはちょっと言い切れない部分もあります。
手口としては正に↓これとほぼ同様でした。
最後に渡された名刺は違う社名でしたが、多分同じ業者、もしくはノウハウの出どころ(関係者)は一緒の別会社とかじゃないですかね。
自治体からの注意喚起も行われてるので、以前のような強引な手法は使えない、と反省して、少し改良したソフトな手口で攻めてきてるのかな。。
今回の手口をまとめるとこうです。
・「近くで工事してる者ですが、屋根が外れかけてますよ」と訪問する。
・屋根の状況を説明して、一旦帰る。
・数十分後に「帰りがけなので、良ければやっていきますよ」と再度訪問する。
・再訪問し、屋根に上ってしばらく作業する
・状況を説明してやんわり工事を勧めるが、見積もりを出したり契約を強要したりは無し。
自治体からの注意喚起されている手口との相違点は、話だけして一旦帰るってとこ、最終的に強引に契約を迫ったりは無かったってところですかね。まぁこのへんは人見てやってるのかもしれませんが。
別に業者の肩持つわけじゃないですけど、これだけなら普通の営業活動と何ら変わりないんですよね。実際屋根工事なんかは実害が無い限りはやろうと思わないでしょうし、実害がある頃には手遅れになってるパターンもありますので、早期発見して直す方がいいってのもまぁわかる話。
問題なのは「壊れてないのに(或いは壊して)工事を強要する」「法外な費用を請求する」ってところなので、「相場通りの費用」で「きちんと」やれば問題ないんですけどね。
ここらは難しいところなので、判断つきそうにない場合は訪問系はそもそも全部断った方がいいと思います。
以上、体験談でした。
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